槐 ( えんじゅ ) は中国原産のマメ科の落葉喬木で、葉は藤に似て、夏、黄白色の花をつけ、高さ十メートルに及ぶ。
古来中国では宮廷の庭に三本の槐を植え三公のつく位置を示したといわれる通り、高貴の木として珍重された樹木である。
浅草寺のご本尊の聖観世音菩薩は推古天皇三十六年 ( 六二八年 ) 三月十八日、隅田川で漁をしていた檜前浜成 ( ひのくまはまなり )、竹成 ( たけなり ) の二兄弟によって網得され川辺の槐 ( えんじゅ ) の木の切株に安置されたが、その主、土師仲知 ( はじなかとも ) の教導により、三人共々深く観世音に帰依し、草堂を結び自邸を寺にかえたのが浅草寺の始まりと伝えられている。
その後、この三人が浅草観音示現の功労者として、三社権現の尊称を奉られ、神として祭祀されたが、これが当浅草神社であるから、槐 ( えんじゅ ) は浅草寺にとっても、当社にとっても非常に因縁の深い木である。
その故か、当境内には槐の木が自生し、枯れては生え、枯れては生え、連綿と絶える事がない。
まことに不思議な縁を感じさせる木である。
(案内板より)
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